公的年金漫画の詭弁のガイドライン
世代間格差の正体~若者って本当に損なの? | いっしょに検証! 公的年金 | 厚生労働省
各所で問題になっている公的年金のステマ漫画ですが、これ、すごい論破プロジェクトのコミPOまんがに似てる。
まあ、論破プロジェクトの漫画がどういうものかは各自ググっていただくとして。
なんでこのステマ漫画がひどいのかっていうと、結構前からインターネットで言われている詭弁のガイドラインにほとんど抵触しているから。
1:事実に対して仮定を持ち出す
2:ごくまれな反例をとりあげる
3:自分に有利な将来像を予想する
4:主観で決め付ける
5:資料を示さず自論が支持されていると思わせる
6:一見関係ありそうで関係ない話を始める
7:陰謀であると力説する
8:知能障害を起こす
9:ありえない解決策を図る
ただ、他の話を含めて、読めば、年金の仕組みについてかなりわかりやすく書いてるので頭に血をのぼらさずにちゃんと一回読んでみるといいと思います。
以下余談(という名の本論)
作中でも、少子高齢化(と不景気)が悪いんやでそのせいで年金も減るんやで、みたいな感じのセリフのやり取りがありますが、そしてそれに対して、「じゃあまず子育て支援とか少子高齢化対策を先にしろよ!」と思うところですが。
実際、政治は有権者の数によって政策が決まるところがあって、子育てにかかわる人間が少ないと、その分だけ子育てに掛ける政策や予算が少なくなります。多数決の原則ですね
。で、子育て支援の政策の予算が減らされるとその分子供も減って、それでさらに子育て予算が減るという負のスパイラルが完成します。日本は今この状態になっていて、それでどんどん少子化が進んでるんですね。最近ちょっとましになったじゃないか、っていう人もいると思いますが、出産率が2.0を超えないと、少子高齢化は進んでいくので、状態としては50歩100歩です。
だから、その状態を何とかするには、卵が先か鶏が先かみたいな話になるんですが、とにかく子供の数が増えて、育児にかかわる人間の数が増えて、多数決で多数をとれるような、そういう社会になってくれないと、有効な政策や予算をつけられない、そういうことになるわけです。
役人としても、いくら正しくても支持のない政策はうてない。電車の中でベビーカーに切れる大人がたくさんいるような社会では、子育て支援に予算を割いても「昔はもっと大変だった」「自分たちは支援もなしに育てた」という子育て終わった世代のマス層のサイレント反対にあって(そういう主張をする政治家に票がはいらなかったりとかそういう)通らない。
あれ、なんか詰んでますね。
多分、こういう問題は、この漫画をかいた厚生労働省に憤るのではなくて、社会全般の“子育てに対して引退していたりして物申すだけ物申して自分はなにもしない人たち”に対して伝えていくべきなんでしょうね。それをどうやっていいのかわかりませんが。
やっぱり難しい。