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自殺したい、辛い、死にたい、つかれたと思ったときに、読むべき漫画9選

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一般的な話ではなく、ただ、自分にとって、それが力になる漫画だからです。誰にもお勧めというわけではありません。



ただ、これらの漫画は、辛いときに感じる虚無のようなものに、ものすごくリンクする部分があって、だから、自分以外のそういう辛い人が読んでも、ある程度元気?(元気ではないな元気は出ない)、ええと、虚無のようなものが抜けていくのでは、と思います。


大日本天狗党絵詞/黒田硫黄

天狗になった少女のしのぶと、その天狗の師匠の物語。なにもかも失って、自分が自分であるものが名前だけになっても、魂がなくなっても、生きている限り生きているし、生きているなら生きていかないと、というのを感じさせてくれる。途中に出てくる、煙突掃除の青年が、結局どうなったのか、色々なものが何も語られないまま終わる。でも人生なんてそんなものだと思う。


カリクラ 華倫変倶楽部/華倫変

カリクラ―華倫変倶楽部 (上) (Ohta comics)

カリクラ―華倫変倶楽部 (上) (Ohta comics)

カリクラ―華倫変倶楽部 (下) (Ohta comics)

カリクラ―華倫変倶楽部 (下) (Ohta comics)

全てが、失敗で、辛い、何もかもうまく行かない。そういう短編が詰まっている。花、という室町末期の宿場町の風俗嬢と変態和尚の話が、とても好きで。魂の一部がそれでできているといっても過言ではないです。「まあ、いいか、ここには花があるし」という、虚無とも諦観とも違う何かを現したその言葉がものすごく好き。人生って言うのはきついことや辛いことをかみしめて生きていくしかないのかな、という問いかけに対して、「そうだよ」というような本であるし、結局作者の花倫変さんは自殺してしまったのだけれども、生きていることを諦めて生きていたら、死ぬことだって諦められる。その続きの上にあって、ただ、そこに、花があるなら、それで、もういいや、って思う。


風の谷のナウシカ/宮崎駿

土鬼の住む、死の匂いの強い土地、そこでには死を待つ人々がいる。死こそが彼らの救いで、生きることは苦痛でしかない、そういう世界が、腐海の周りには広がっている。それでも生きている限り死ねないし、悪政と搾取と、病気と蟲と瘴気におびえながら、コケのように地面にへばりついて、いつか訪れる死後の世界に希望をつなぎながら生きている。
ナウシカは、そんな彼らをみて、そんな彼らを知って、そして墓所へ向かう。そして墓所の中には、世界が再生されたときに用意されている、幸福で、憎しみや苦痛や絶望のない、新しい人間の卵が用意されていた。
ナウシカは、そんな新しい人間に対して、それは人間ではないと看過して、その卵を破壊する。苦痛の中で、血を吐いて血を繰り返し吐いて、幾多の死を繰り返して飛ぶ鳥こそが人間だと。人の切望と死を望む人間の苦痛を目の当たりに見ながら、こういうことをいうナウシカは、傲慢だと思うし、でも、それを正しいとも思う。


ヒミズ/古谷実

ヒミズ コミック 全4巻 完結セット (ヤンマガKC )

ヒミズ コミック 全4巻 完結セット (ヤンマガKC )

生きる意味を探す、自分の人生がすでに終わっていて、残っているものは、ただ自分の命だけ。だから、この命を有効に使いたい。自分の命を弾丸に例えるなら、無駄うちはしたくない。だから、人を殺すことに決めた。どうしても殺さないといけない悪い奴を探すのだけれども、そううまく行くものではない。そして、その間に、大切なものも出来て、でも死ぬのだからそういうものを作るわけにはいかない。葛藤。
生きている、ということは、生きているということ以上の意味はない。でも、生きていることはそれ自身が生きようとすることを内包していて、だから、生きている人はうまく死ぬことができない。命は溢れていて価値はないけれども、死には価値がある、だから死を抱え込んだ人間は、その価値を手放すことができなくなる。


ミスミソウ/押切蓮介

人を押しつぶすもの。雪。雪深い街で、起こるいじめとそれによって家族を全員殺された子。その子の復讐の物語なのだけれども、結局その子とその子以外の全員が、この街を覆う何か思い人を押しつぶす何かにつぶされている。冬の雪の中で物語は始まり、春が来る前にこの物語は終わる。戦えるものと敵があるものは幸福であると思う。人は敵を作るためにいじめをするし(人を不快にさせることは罪だし、不快な人間は悪なので、だからそれをいじめることは正義なのだという公理)誰かの味方になる。そこから出ることはできない。


花咲ける孤独/山田花子

花咲ける孤独

花咲ける孤独

嫌感あふれる作品群。
不快感や苦痛や悪意に溢れている。それがギャグに昇華されているのかといえばそこまででもない。誰かの助けになるかと言えばそうでもない。ただ事実として、そのような物語があって、それは現実にもあるだろうし、今もどこかでリアル現在進行形で起こっていることなのだと思う。ただ、それがそこにある。読後感は華倫変の作品にも似てて、「それはそこにあって、そのままなので、それを受け入れてかみしめるように生きていくしかない」とそういう気持ちにさせてくれる。


黒い羊は迷わない/落合尚之

誰も自分を認めてくれずに、否定する世界で戦う話。
宗教団体に育てられた少女と、母親からねじれた育てられ方をした少年と、その宗教団体に通う少女。
ディスコミュニケーションがあり、彼らは決してお互いに共感しあうことはない。お互いが相手に勝手に自分の幻想を押し付けて、救ってくれる、救えると思うけれどもそれは一方的な決めつけで、結局個人同士で否定しあうしかない。それでも、戦って、生きていく。自分自身のために生きる。だから、誰かを救うということや救ってもらうということに依存する必要はなくなっていく。その依存のない世界は寂しいけれども、でも、そうやって戦っていく子どもたちの話。


さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ/永田カビ

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

さびしすぎてレズ風俗に行きましたレポ

あー、がんばろう、って思う。
一人で無理して生きてく必要はないんだ。誰かを頼っていいんだ。
孤独だってことに気づいて、気づいたら、お金を払ってもいいから埋めていいんだ。
それは必要なことなんだ、って思う。必要なことなんだ。


いちえふ 福島第一原子力発電所労働記/竜田一人

いちえふ コミック 1-3巻セット (モーニング KC)

いちえふ コミック 1-3巻セット (モーニング KC)

原子力発電所内での除染その他作業の漫画。
ドラマチックなことは起こらず、そこには、どこまでも日常がある。異常な状態ではある。でもそれは日常なんだ。
風の谷のナウシカの、瘴気マスクを着けて森へ入っていくような、装備と点検、そういうことを毎日行って、それでも、普通にみんな日常の話をするし、ご飯も食べるし、どうでもいい小さいことにたいして気にしたり、人と人が出会ったり別れたり、新しい作業があったり。特になにもドラマが起こらない。ただ、そこには、変わらない毎日がある。
どんな場所でも日常があって、人はそこを生きている。今辛い、非日常みたいな緊急事態であったり、どうしようもない追い詰めらえた詰んだような状態であっても、そこには、日常があって、そして、日常を積み重ねることによってしか、その“普通ではない異常な状態”を解決することはできないんだ。






あまり、解説になっていない解説だし、ここに書いた感想は本当に個人的なもので、ただ、こういうことを感じて、辛いときに勇気づけられる…というほどでもないけれども、ろうそくの炎くらいの元気とか気力がでたり、釣り天井が落ちてくるレベル追い詰められてる精神状態が空が落ちてくるんじゃないかっていう杞憂レベル(または北斗の拳)になったり、そういうちょっとだけ力が出てくる感じの作品です。
読む人によって、受け取るものが全然違うと思うので、参考にはならないと思うけれども、ただ、どれもすごい名作で、健康な時に読んでも普通に面白く読めるので、是非よんでみて下さい。



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