ヨイコノミライ(きづきあきら)の人間関係って未だにリアルなんだろうか
- 作者: きづきあきら
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2006/09/29
- メディア: コミック
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一人の少女が原因で崩壊する漫画研究会の部員達の青春を描いている。
ヨイコノミライ! - Wikipedia
という漫画。
といってもサークラ女子の漫画ではなく、中学生高校生漫画研究会にありがちな自家中毒を起こしたキモオタ集団の中に「ちゃんとやろうよ!」*1っていったら、自意識で重力崩壊したでござる、という話だけれども。
登場人物紹介
登場人物が、全員かなりイタイ系のキャラクターで
- 井之上 広海
- 青木杏
- 天原強
- 平松かの子
- 有栖川萌絵
- 大門夕子
- 声優志望の女子。よくある。
- 普段からアニメ声で喋る。ああ。よくある。
- アニメっぽいアホ毛髪の髪型を頑張って毎日演出している。
- これ、漫画的な演出だと思うでしょうが、実際にこういう人いたんですよ…?
- 自分が可愛いと思っており、やれば出来るという万能感にとらわれている。
- クラスでも浮いていて、こんな感じだけど、あんまりメンヘってない。それなりに地顔がかわいいからか?今だったらニコニコ生主とかでそれなりにやっていけるタイプかも。
- オタサーの姫っぽい感じだけれども、オタサーの姫展開はナシ。
- 作者: ジャンヤー宇都,サークルクラッシュ同好会,tanar
- 出版社/メーカー: TOブックス
- 発売日: 2015/04/15
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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- 桂坂詩織
- 衣笠兄弟
- コミケとかで同人誌をつくって売っている。結構大手っぽい。自分の同人誌が忙しくてあんまり部活に出てこないし、お話の中でも、そんなに役割を果たさない。
- ヨイコノミライ自身が3巻で連載してる雑誌がつぶれて移籍、完結という変則的な形をとったために、当初の予定が変わって登場シーンが減ったんじゃないかなって思う。
- 恐らく、リアル同人をめぐる話とかで後の方で出てくる予定、または漫研の内部に対して外部のキャラクター、というはずだったのが、なんかうまくいかなくなったんじゃないだろうか。
- 漫研という自家中毒の沼に使ってない人たち。一般社会からは離れているけれども、社会に対して再生産をしてる人たち。多分この中で一番マトモ。
というような感じで。
同じころ話題になったげんしけんのネガという趣だ。(井上くんのキャラ設定はどことなく笹原ににている)
- 作者: 木尾士目
- 出版社/メーカー: 講談社
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: Kindle版
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当時はとてもリアルな当時のクローズドオタクサークルを描いていたんだけれども、今ってリアルなんだろうか
- 作者: 木尾士目
- 出版社/メーカー: 講談社
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- メディア: コミック
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オタク趣味が、ある程度理解されるようになって、今まで隠れオタだった人間がその趣味を表明できるようになってきた。
オタク関係のコンテンツを観ていることが、コミュニケーションをとるのに必須な項目になってきたりもしている。自分たちの世代がJポップを聞いてないとクラスの話題に入れなくなったみたいに。
そんな今の時代に、オタ系サークルっていったいどうなってるんだろう。
といいつつ、オタ系サークルがどうなってるのかはある程度想像がつく。つく、というか実際伝聞で聞いているんだけれども。
なんかリア充があつまって、ワイワイガヤガヤと楽しくやっているっぽい。あと、みんなアニメとかみてない。
アニメをみてないアニメ研究会!
テニスをしないテニスサークルみたいな感じで、人に人が集まる感じ。そういう人が集まる為のコンテンツとしてオタクコンテンツ。
じゃあ、そこで必要とされるものとは、アニメに対する洞察や、ラノベ1000冊や、漫画を描ける能力ではなくて、人とコミュニケーションが取れる人間力だ。
じゃあ、昔いた、あの自意識をこじらせていた人たちはどこに行ったの?
で、じゃあ。
このヨイコノミライに出てくるみたいな自意識をこじらせたオタクの人は一体どこに行ったんだろう。あの山の向こう?トラックにはねられて異世界に行った?
実際こういう人がオタクサークルに入っても、うざがられたり、きもがられたりして、止めざるを得ないか、作中の内田直少年みたいに端っこの方でじっとしているか、そういう選択肢しかない。大学だったらそういう受け皿のサークルもあるだろうけれども、高校中学では、多分、居場所がない。
昔のオタクはオタクだから迫害されたのではなく、迫害されていたからオタクになった
というひともいた。
恐らくこのヨイコノミライに出てくる子たちの半分はそのタイプで。
辛い現実からのオアシスとしての漫画アニメコンテンツ、そして漫研だった。
今でも、現実から迫害されてコンテンツに逃避する人間はいるだろうし、そしてそれは悪いことではないけれども。
ただ、その逃げた先で、今、ナカマは見つかるんだろうか。
- 作者: きづきあきら
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- 作者: アルテイシア
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参考にしたエントリとそれについていくつか。
祝・『ヨイコノミライ』完結!(ネタバレ記事) - シロクマの屑籠
ヨイコノミライ終了当時のエントリ。こうして見ると当時のリアリティをかなり反映していたんだろうな、と思う。
ニコニコ超会議2015に行ってきた! - しっきーのブログ
今、オタコンテンツを享受するのに必要なのは、語れることよりも踊れることなのかも。あと、オフパコできる能力があるかどうか(つまり男女交際を始める為の場としてのオタクコンテンツと、そこに行けるだけの容姿、コミュニケーション能力)
なぜ大学が友達作りを支援するのか? - かくいう私も青二才でね
趣味でつながる人間関係づくり、というのが出来にくくなっているのかも。とは思う。漫画アニメコンテンツだけでなく、若い人が趣味やる時間とお金がなくなって、そしてみんなの趣味が均一化されて差異化できなくなり、それによって繋がれなくなってるとか
オタクが融解した、「げんしけん」二代目が、つらい - たまごまごごはん
げんしけんも二期になって社会不適合者の集まりでなくなった。吉武さんとか、ヨイコノミライでいう平松かの子ポジションなのに、服装や見た目に気を使ってる(使ってるというレベルではなく、日常レベルで普通にするレベルでちゃんとなってる、そこらへんの身だしなみがちゃんと内面化されてる普通の女の子)し、可愛い。女子としての身だしなみ、というレベルでは1期始まった当初の大野さんは、かなりきわどい感じがした。
*1:そのサークルの中に入ってきた青木杏という女の子は悪意を持ってやっているけれども